ラクトフェリンとその関連商品は脇役ながらも着実にその売り上げと人気を確保してきています。同じ様に最近ではテレビCMでもしばしば耳にし、その実力を注目されつつあるDHAですが、そもそもDHAとは何でしょう。DHAとはそもそもドコサヘキサエン酸のことであり、不飽和脂肪酸のひとつです。6つの二重結合を含む22個の炭素鎖をもつカルボン酸 (22:6) の総称でありますが、通常は生体にとって重要な 4, 7, 10, 13, 16, 19位に全てシス型の二重結合をもつ、オメガ3脂肪酸に分類される化合物を指します。DHAは魚油に多く含まれており、サプリメントや菓子などに添加され、2001年頃から摂取することによって健康になる、頭がよくなると言われ、また、健康食品としての青魚が注目されています。魚やその他の生物に含まれるDHAの多くは、ラビリンチュラ類の1属である Schizochytrium 属などのような海産の微生物によって生産されたものが、食物連鎖の過程で濃縮されたものです。多くの動物は体内でα-リノレン酸を原料としてDHAを生産することができますが、その生産量は極めて少ないといえます。ヒトでは、DHAは食品から摂取する以外に、2つの経路によって代謝生産されます。どちらも出発となる原料はα-リノレン酸ですが、中間生成物が異なります。まずひとつ目はエイコサペンタエン酸 (20:5, ω-3) を原料とし、鎖長延長酵素によって2炭素増炭され、ドコサペンタエン酸 (22:5 ω-3) がつくられた後にΔ4-不飽和化酵素によって水素が引き抜かれて生成する過程であり、もうひとつの経路は、ペルオキシソームあるいはミトコンドリア中で進行すると考えられているもので、エイコサペンタエン酸が2回2炭素増炭されて (24:5 ω-3) となった後、不飽和化されて (24:6 ω-3) となり、その後β酸化によって炭素鎖が切断されDHAが生成されます。この経路は「Sprecher's shunt」として知られています。DHAの役割についてですが、DHAは精液や脳 、網膜のリン脂質に含まれる脂肪酸の主要な成分です。DHAを摂取すると、血中の中性脂肪、つまりトリグリセリドの量を減少させ、心臓病の危険を低減します。また、DHAが不足すると、脳内のセロトニンの量が減少し、多動性障害を引き起こすという報告もあります。またアルツハイマー型痴呆やうつ病などの疾病に対してもDHAの摂取は有効であるといわれています。

