体内における吸収メカニズム
ラクトフェリンには様々なはたらきがありますが、体内に吸収された結果、どのようにその作用は起きるのでしょう。経口摂取したラクトフェリンはアミノ酸や小さなペプチドにまで分解されますが、一部は大きめのペプチドやラクトフェリンのままで腸まで達します。ラクトフェリンを含む飲料を投与した成人では、60%ほどのラクトフェリンが胃をそのまま通過し、小腸へと運ばれたという報告があります。ラクトフェリンは一部、胃の消化酵素であるペプシンで分解をうけ、もとのラクトフェリンよりも強い抗菌性があるペプチド=ラクトフェリシンが生成されます。ラクトフェリンを動物に経口投与する実験や足の白癬における臨床試験ではラクトフェリンやラクトフェリシンは血中に検出されないことが確認されました。ただし腸管に傷害がある動物やヒトでは血中に吸収される場合もあると考えられています。ヒトの腸管上皮細胞にはラクトフェリンが結合して細胞内に取り込まれるためのレセプターが存在しています。このレセプターには、ヒト・ラクトフェリンが結合することが知られていました。最近、森永乳業の研究により、ウシ・ラクトフェリンやその消化ペプチドもこのレセプターに結合することが判明しています。経口摂取したラクトフェリンや消化されてできたラクトフェリシンは血中には吸収されませんが、そのかわりに腸管免疫系に作用して全身に効果を及ぼすと考えられています。この点はまだ完全には解明されていませんが、これまでの研究結果から、ラクトフェリンやラクトフェリシンを含む消化ペプチドは腸管免疫系に存在する腸管上皮細胞レセプターや、樹状細胞、リンパ球などに作用して、これらの細胞を活性化させたり病態部位での感染症の改善、炎症の抑制、がんの予防に働いているものと考えられています。

